文学をこよなく愛する人へ


by bunntami

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文民(Bunntami)とは...

本が好き。映画が好き。とにかく文化的なものがメッチャ好きな人のことを指す。
文化は人の想像力を育む力があります。想像力は私たちの人生を色のある物に変えていきます。私たちは、多くの人々が文化的なものに興味を持つことによって、この退屈な世の中が少しでも楽しくて、ハッピーなものになったら考えています。本が好きな人はもとより、例えば本を読まない人でも、本誌に触れることで文学って思ってたよりオシャレで格好いい物なじゃないかと感じて欲しい。また、その中には自分でも書き、人に読んでもらいたいという人も多いと思います。しかし、文学は敷居の高いイメージがあり、発表する場がないというのも現状です。私たちはそんな人たちに発表の場を与えたい。本誌は機構された作品等を積極的に掲載したいと考えております。どんなものでも構いません。自分のこと、本のこと、人のこと、景色のこと、愛のこと…etc 表現していくことによって、世界をもっと素敵で色とりどりのものに変えていきましょう。
日常の中に隠された大切なもの、ささやかな物語。考えること、感じること。
それこそがすでにもう文民なのですから。
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by bunntami | 2005-06-24 18:09 | 文民の概要
●文学のある風景「日比谷公園」を特集!
●今回から始まった連載小説「空がたかくて青いから」
●前回に引き続き大好評!リレー小説第2話「焦燥感」
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by bunntami | 2005-06-24 17:50 | 創刊第2号/2005年6月発刊
吉田修一の小説「パークライフ」(文藝春秋社)の舞台となっている日比谷公園。高層ビルの谷間に突然現れる緑の木々たち。そこに佇む人々はどこか憂鬱で、それでいて体は何かを期待している。そんな都会のパークライフ。今日も、日比谷公園を歩きながら、小説「パークライフ」の世界を楽しんでみよう。
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吉田修一の小説「パークライフ」(文藝春秋社)の舞台となっている日比谷公園。高層ビルの谷間に突然現れる緑の木々たち。そこに佇む人々はどこか憂鬱で、それでいて体は何かを期待している。そんな都会のパークライフ。今日も、日比谷公園を歩きながら、小説「パークライフ」の世界を楽しんでみよう。
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心字池を臨むベンチ。写真は崖の上から見下ろした風景。スタバのカフェモカを飲んでいる彼女の目からは、ベンチで腰掛ける「ぼく」の姿はこんな風に見えていたのだろうか。実際に、池の側のベンチに腰掛けてみると、公園の木々の隙間を通り、ろ過されて届く外の世界の喧騒が、まるで遠い世界から吹いてくるそよ風のようで心地よかった。
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思い思いに過ごす人たち。近く会社で働く会社員やOLたちが、短いお昼休みの一時をベンチやカフェで過ごし、近所に住んでいるのであろう老人は、熱心に何かをデッサンしている。「ビジネスの時間」の中にぽっこりと浮かんだ「憩いの時間」。その時間を共有する私達は、日比谷公園という微かな絆で結ばれている。なんだか気球を飛ばすあの男の人の姿が思い浮かんできた。
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『パークライフ』吉田修一/文藝春秋社/410円(税込)
どうしてこの小説を読むと、こんな気持ちになるのだろう。なんだか気持ちがいい。誰もが一度は感じたことがあるような気まずさや他力本願なわくわく感、やるせなさの感情が描かれているからだろうか?職場や学校と家を行き来するだけのような毎日。思っていたよりも日々というものは簡単に過ぎる。それでもなにか楽しい変化が起こるじゃないかという微かな期待はもってしまう。だからといって自分がなにか特別なことをしたりするわけでもないのに。積極的に求めなければなにも変えられないのはわかっている。でもそうはなれない。一人でいることに慣れていく。それでも誰かとつながっていたい。街を歩けば、何百、何千人という人とすれ違う。言葉を交わすことも無く過ぎ去っていく人波に揉まれても寂しいとも思わない。そんな暮らしの中で、通勤の駅のホームや、毎日通う公園のいつもの顔ぶれ。近いようで、遠い距離感。それでも、そのつながっているのか、つながっていないかの関係に小さな安らぎを感じているのではないだろうか?日比谷公園を舞台に展開する平凡な日々。別居中の夫婦の家で、猿の世話をしながら過ごす主人公は、下鉄の車内でのちょっぴり気まずい勘違いによってある女性と出会う。彼女はいつも池の上のベンチに座って、スターバックスの「カフェモカ」を飲んでいる。二人は日比谷公園で再会する。誰にでも起こり得る、まるで自分が毎日体験していることのように錯覚してしまう「日常」。今日だって、なにかが起こることを、期待しているような、していないような。 text by Naobaby
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by bunntami | 2005-06-24 17:17 | 創刊第2号/2005年6月発刊
d0053670_18152620.jpg吉田修一 講談社 1,470円(税込)
誰だって、希望のかけらくらいはもっている。いつかは夢を叶えたいとか、自分の思いのままにしたいとか。大人になって膨らんでくるのは、嫌でも見せつけられてしまう様々な現実。このまま何も変わらずに過ぎてしまいそうな毎日。「o-miyaスパイラル」の建設に携わる男たち。それぞれの生活と感情。日常とはどこかいびつな異常さにみちている。そのいびつさはきしみ、留め金のネジを弛め、いつか壊れてしまいそうな気さえする。 都会的な感性で吉田修一が描く、むせかえるほど「人間の香り」が心を打つ物語。
text by Naobaby
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by bunntami | 2005-06-24 17:14 | 創刊第2号/2005年6月発刊

Book Review 『パレード』

d0053670_18131687.jpg吉田修一 幻冬舎 文庫/560円(税込)
普段、誰にでも起こりえるような日常的な風景の中で繰り広げられる出来事を、吉田修一だからこそ描ける独特な展開で物 てから全体を振り返ってみるとなんとも言えない感慨深い気持ちになる。吉田修一ワールドと普段の自分自身の日常を比べてみてはいかがでしょうか?きっとおもしろい発見となんともいえない気持ちになるかもしれませんよ!!
text by 恵奈
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by bunntami | 2005-06-24 17:13 | 創刊第2号/2005年6月発刊
d0053670_18121179.jpg吉田修一 文藝春秋社 文庫/530円(税込)
人間の優しさ、そして脆さ。日常では見落としてしまいそうな、そう、私達の周りに当たり前のようにあるのに、どうしても掴み切れない風景、それを彩る言葉達がここに収められた三つの短編にぎっしり詰まっています。 とくに「Water」という短編の中で、バスの運転手が主人公に言う言葉は、今の私にはとても痛く、責められているようにさえ感じました。 「坊主、今から十年後にお前が戻りたくなる場所は、きっとこのバスの中ぞ!ようく見回して覚えておけ。坊主達は今、将来戻りたくなる場所におるとぞ」 あなたは今、その場所を覚えているでしょうか?
text by 宮崎
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by bunntami | 2005-06-24 17:12 | 創刊第2号/2005年6月発刊
「あのさ、聞いてくれよ、」大学の裏庭のすみに ある原っぱでいつものように本を読んでいると、息を弾ませたガクが話し掛けて来た。このトーンはあの話をする時だ。小さな空き地のまん中に大 きな楠木が生えていて、その周りに雑草が生い茂っている。よく見ると、端にいくつかレンガで囲まれた元花壇らしきものがあるけど、もう ずいぶん昔から放置されているような感じだ。大学に入学してからずっと、ここが ガクとあたしのお気に入りの場所だった。休講になった時や授業の空き時間、特に待ち合わせをしていなくてもここに集まるようになってる。ときどきお互いの友達が来ることもあるけど、ガクとふたりでいることが多い。ああ、ふたりじゃないや、もうひとりいたっけ。 いつも寝ている男の人 がいて、言葉を交わしたことはないけど、一度寝返りしまくってあたしの隣で寝ていたことがあった。ガクとあたしの定位置は楠木の木陰で、彼はいつもそこから数メートル離れた、朽ちかけた木の固まりを背もたれにしていた。それは元はベンチだったんだろうと思える 形をしている。「何」 あたしはガクを見上げた。葉っぱの間から初夏の日射しに 目を射抜かれて、まぶたの奥が鈍く痛む。「で?」「ええ?ノノんだよ、キリ機嫌悪いなノノ」「べつに。で?なんか話あったんじゃないの?また誰かに告白された?」「ノノお、さすが。なんでわかんの?」 やっぱり。「そのにやけた 顔みたらすぐ分かるって」思ったよりも高い声が出てしまった。けど、そんなことにガクは気付きもしない。「そう?で、どう思う?」「どう思う? ってあたしその子知らないし。自分でどう思うの?」「さあ。わかんね。でもさ、すっごいかわいいんだ」ガクはすでに弛んでいた顔をもっと崩して笑う。ガクはもてる。本人には自覚がないみたいだけど。家が近くて小学生の頃仲良くなって、なんだかそのまま偶然が重なって大学まで一緒 になった。 なんていうのは嘘。偶然なんかじゃない。特にやりたい事も目標もなかったあたし は、ガクが受けるって理由だけでここを選んだノノそういえばそうだっけ。あたしはいつからか、完全に勘違いしていた。友達の片思いも決死の告白も。あたしにはとっても遠い存在だった。だってあたしに はガクがいたから。みんなも言った。いいよね、キリにはガクがいるから。高校2年生の時、初めてそれが間違いだったと気付かされた。『俺、彼女ができたんだ。だから、明日からキリ1人で帰って』ガクはある日、とってもあっさりそう言った。もちろん軽くひやかしてから了解した。だってそうするしかなかった。
text by庵うるふ
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by bunntami | 2005-06-24 17:11 | 創刊第2号/2005年6月発刊
前回までのあらすじ
頭には先程見た夢がこびり付いて離れないでいる。まどろみから立ち直ろうと煙草に火をつけたミキオは,まだぼんやりとした目で時刻を知り、大学に行くのを止すことに決めた。ふと気付くと下着姿の女がこちらを見据えて立っている。一瞬ぎょっとしたが、 すぐ我に帰る。確か名前は………

クラブで泥酔いしたゆえの行きずりのこと、思い出せるはずもない。きっと、この女もそうなのだろう。シャワーを浴びていたらしく、髪を拭いたり爪をいじったり、こちらに話し掛けようともしてこない。 ミキオは話かけるのを諦めて、パソコンの電源を入れた。メールを開いてみたが、来ているのは迷惑メールばかり。再びベットに倒れ込み、脇に転がっていた雑誌をしばらくパラパラとやってみるが、すぐにまた放り投げる。 目を瞑り、暗闇と静寂が訪れるのを待つ-遠くに小さい子供の泣き声が聞こえる。このまま、このまま、闇が体を包んでいってくれればいいのに……。「…ぇ…ねぇってば。聞いてるの?火、貸してよ」少しヒステリックな女の呼び掛けに狼狽しながら、慌ててライターを放る。「ありがと」。カチッカチッ。女は無表情に煙草に火をつける。狼狽したのは、突然話し掛けられたからだけではない。女の顔が、何だか、初めて付き合った女の顔に似ていたからだ。あいつの名前は死んでも忘れそうにないな、とミキオは思った。反吐が出そうだ。ふと、この女を無茶苦茶にしてやりたいという衝動にかられる……否、正確に言えば、世界に終わりがくればいい。そう、ミキオは思った。女は、ミキオの感情の変化になど全く気付かずに、満足そうに、紫煙を吐き出している。スクリーンの光に照らされた部屋の中は、雑然としていて、燥焦感を煽る。そうだ。あいつに会いに行こう。少しはマシな気分になれるかもしれない。 ミキオはまだ、足下に引かれた赤黒い絨毯が、彼を導くように延びていっていることに気付いてはいなかった。
text by Marbou
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by bunntami | 2005-06-24 17:10 | 創刊第2号/2005年6月発刊
d0053670_1854380.jpg『変身』 カフカ著/高橋義孝訳  新潮文庫
『変身』は夭折の天才作家、フランツ・カフカ(1883-1924)の言わずと知れた代表作だ。いわゆるメタモルフォーゼ(変形)を主題にした作品で、ある朝男が目を覚ますと、自分が巨大な“ムカデ”に「変身」していた、という物語である。各国の神話や昔話にもこの手の「変身譚」はよくあるのだが、『変身』には他の「変身譚」には感じられない、奇異な感じを受ける。そこにこの作品の、未だ解き明かされない謎が潜んでいる。その奇異な感じとは、ムカデとなったグレゴール・ザムザに対する、その両親や妹などの反応から滲みでている。普通ならば、驚愕・恐怖し許容ならざる事態と思うはずが、それを両親や妹は当然のごとく受け入れる。さらに周囲の関心は、本当にそのムカデがグレゴールであるか、ということに移ってゆくのである。グレゴールは、貧しい家計を支えるために懸命に働いていた。そんなグレゴールが“ムカデ”になることが「当然」であるとされ、それは「必然」であるかのように思われてくる。そして作品中、この「メタモルフォーゼ」の原因が、一言も語られることはなく、日常が繰り広げられてゆく。この「メタモルフォーゼ」の示すものは何なのか。謎は深まるばかりである。
text by 真司
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by bunntami | 2005-06-24 17:09 | 創刊第2号/2005年6月発刊
d0053670_18102783.jpg映画「深呼吸の必要」 2004年 監督:篠原哲雄  キャスト:香里奈/谷原章介 

成宮寛貴ほか人は様々なものを抱えている。様々な過去を抱えて生きている。派手な栄光かもしれないし、地味な悲しみかもしれない。それでもなんとか生きている。「そんなボク ら」の物語。沖縄の小さな島。毎年春の一ヶ月、日本各地からサトウキビの収穫の仕事をしに若者達がやってくる。中途半端な興味で参加した者、何かを忘れたくて、現実逃避で やってくる者と様々だ。痛みを抱えてやってきた人々を、沖縄の壮大な自然と、おじぃ、おばぁのあたたかい愛情が包む。やがて、心を開き合う彼ら。心を一つにしてサトウキビを刈る。痛みをもっているから、誰か他人の痛みだってきっとわかる。なんだってうまくいったり、すぐによくなったり、そんな魔法みたいなものはないかもしれない。「なくなったら、またはじめからやり直せばいい」おじぃの言葉がしみる。深呼吸によっ て、何かがかわるなんていえないかもしれない。でもそれがなにかのきっかけだったり、それで楽しくなれたりするなら、、。沖縄の青い海とそこで成長していく若者の繊細で微妙な心境の変化を描いた心温 まる作品。きっと観た後に、さわやかな清涼感と、深呼吸のようなリラックス感が残るはず。 「速くはならない、でも楽しくなるよー」
text by Naobaby
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by bunntami | 2005-06-24 17:08 | 創刊第2号/2005年6月発刊