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by bunntami

Book Review 「大きな石に背中から落ちて、私は死んだ…」

d0053670_1834053.jpg『夏と花火と私の死体』 乙一著 集英社 文庫/440円(税込)
「私」は目とか耳とか口とか鼻とか、いろんな穴から血を流して死にました。大好きな人が、茣蓙で包んでくれたけど、ちょっとはみ出た泥まみれの素足が恥ずかしい…。夏休み、小さな村で小さな死体ができました。“五月ちゃん”(死体)をめぐって、弥生ちゃんと健くんは、恐ろしくもエロティックな「お遊戯」を開始する——。人間は、「死」というものに無関心ではいられません。それはそこに、何かを感じ、何かを求めるからではないでしょうか。そして、もしそれがある種の“エロス”だったのなら…。子供たちの姿を通して「死」と「エロス」の関係を鋭く描いた、本格ホラーミステリーです。この妖艶な作品を弱冠17歳で書き上げた奇才、乙一。珠玉のデビュー作をぜひご覧ください。
text by 真司
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by bunntami | 2005-06-24 17:05 | 創刊第2号/2005年6月発刊