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by bunntami

Book Review 『最後の息子』

d0053670_18121179.jpg吉田修一 文藝春秋社 文庫/530円(税込)
人間の優しさ、そして脆さ。日常では見落としてしまいそうな、そう、私達の周りに当たり前のようにあるのに、どうしても掴み切れない風景、それを彩る言葉達がここに収められた三つの短編にぎっしり詰まっています。 とくに「Water」という短編の中で、バスの運転手が主人公に言う言葉は、今の私にはとても痛く、責められているようにさえ感じました。 「坊主、今から十年後にお前が戻りたくなる場所は、きっとこのバスの中ぞ!ようく見回して覚えておけ。坊主達は今、将来戻りたくなる場所におるとぞ」 あなたは今、その場所を覚えているでしょうか?
text by 宮崎
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by bunntami | 2005-06-24 17:12 | 創刊第2号/2005年6月発刊